「料金がこんなに安いと、受けられるサービスも悪いの?」

2024.01.24

料金が安いと、受けられるサービスも悪いの?

 

「良いサービスを受けるには、高い料金を払わなければいけない。」

「料金が安いなら、サービスの質が低いのは仕方ない…。」

 

そう思っていませんか?でも、それが安くて良いものだったら?

 

例えば、安い定食屋で味もボリュームも良かったら嬉しいですし、また行こうって思いますよね。

 

たいようは、地域最安水準の利用料金で運営していますが、安いだけではありません。

 

数多ある施設の中からたいようを選んでいただいた本人様やご家族様が「たいようにして良かった。」心からそう思ってもらえるようただサービスを提供するのではなく、たいようでは当たり前のことを当たり前以上に考え、本当に意味のあるサービスを目指しています。

 

 

 

年を重ねるほど「うわ、懐かしい~!」って瞬間、増えません?

 

筆者は30代ですが、それでもふと流れる曲を聴いて「懐かしい!」と思う瞬間が増えました。

 

これって40代50代、80代90代になれば尚更だと思います。青春時代に友達と帰り道で口ずさんだ曲、流行りにのって覚えた曲、好きな人と一緒に聴いた曲…

 

年を重ねる程「うわぁ!懐かしい!あの頃は良かったなぁ~」って思いませんか?音楽を聴くことで当時を思い出し、『懐かしさ』を感じる。

 

その時「懐かしくて良い」はあっても「懐かしくて嫌」って思うことは稀ですよね。

実は『懐かしさ』を感じることで、自分を認める気持ちが生まれたり、心が落ち着いたりといった心理的効果が発揮されます。

 

この『懐かしさ』を感じるのはもちろん高齢の方も同じで、この心理的効果は認知症療法でも取り入れられています。

 

 

 

“懐かしさ”を科学し、サービスに取り入れる

 

懐かしい曲が気持ち良くて、精神的に良いのは分かった。じゃあ、現場に応用するにはどうしたら良いか?低料金なのに、科学的に本当に意味のあるサービスを提供できないか?と模索しました。

 

そこで着目したのが「転倒予防」です。

厚生省によると、転倒した人の7割は通院や入院が必要になります。しかも、転倒がきっかけで一気に身体機能や気力が落ちることも。

皆さんもそれまで意欲的にやっていたことが急なぎっくり腰でやらなくなったことが

ありませんか?高齢の方はなおさらです。また、ほとんどが自宅の発生ですが、多くの施設や病院でもどう転倒対策するかが課題です。

 

歌で懐かしさと楽しさを感じながら心理的に良く、さらには体の機能を維持して転倒予防になる体操ができればいいな!と思い、発見したのが懐かしい歌を歌いながら曲に合わせて体を動かす、歌体操です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

できなかった

 

まずは「立つ」「歩く」際の筋肉や転倒予防に必要な筋肉といった体の仕組みを調べ、数ある歌体操の中から、主に➀車椅子の方でも参加できる ②懐かしさを感じる曲が使われている ③転倒予防に必要な筋肉を動かす といった3点を重視して探し、今回は川西市で考案された「手のひらを太陽に」の曲に合わせて行う転倒予防体操を施設で試験的に行いました。

体操導入前後の参加者数を比較してみると、導入後の不参加者は減りましたが、個人でみると、同じ体操でも参加する日としない日がありました。また、動画で確認すると確かに体を動かす人は増えたけど、歌を歌っている人はほとんどいません。総合的にみてよい結果が出たとは言えず、意味のあるサービスを提供できませんでした。

そもそも体操参加に積極的な方が多い施設で実施したにも関わらず、なぜ参加にバラつきがでたのか?と疑問が浮かびました。

 

改善点が多いことは嬉しいこと。もっと根拠のあるサービスを考える。

 

体操後のレクレーションで「リンゴの唄」を合唱した時は、普段積極的ではない方も含め、男女問わずほぼ全員が歌っていました。

この曲は戦後初のヒット曲で、戦争を経験された方も少なくない80代以上の方々にとっては、「懐かしさ」を感じる一曲そのものだったのです。「手のひらを太陽に」では、あまり懐かしさを感じることができなかったのだと気づき、実際の施設で行うことで、気づけなかった課題を多く見つけることができました。

改善点が多いことは、嬉しいことなんです。なぜなら、以前よりもっと科学的根拠に基づいたサービスを考えることができるから。また選曲から体操までもう一度見直し、利用者様にとって楽しく、意味のある歌体操になるよう改善していきたいと思います。